クレジットカードやETCなどの利用者を狙ったフィッシング詐欺メールが急増しています。
今回確認された「【ETC】決済方法の確認が必要です」という件名のメールもその一例で、受信者を不安にさせて偽サイトへ誘導し、カード番号や個人情報を盗み取ろうとする悪質な手口です。
一見すると本物の通知のように見えるため、慌ててリンクをクリックしてしまう人も少なくありません。
しかし、このようなメールにはいくつかの共通する特徴があり、正しく見抜けば被害を未然に防ぐことが可能です。
本記事では実際の詐欺メールの内容をもとに、その危険性や見分け方、そして万一入力してしまった際の対処法や予防策について詳しく解説します。
ETCを装った詐欺メールが急増中

「【ETC】決済方法の確認が必要です」という件名で届く詐欺メールが多発しています。
送信元は一見すると公式のように見えますが、実際には全く関係のない不審なアドレスから送られています。
今回確認されたメールの送信元は 「ETC.jyai1225@dicyt.com」 というアドレスで、まったくETCの公式とは関係がありません。
さらに、本文内に記載されているリンク先は 「https://a1xsqx.top/BHFrywYFe」 という不審なドメインでした。
このようなメールは、受信者に「カード決済が失敗している」「支払い情報を確認してください」と不安を煽り、偽サイトへ誘導してクレジットカード情報や個人情報を盗み取ろうとする典型的なフィッシング詐欺です。
詐欺メールの特徴と見分け方
今回の事例からもわかるように、詐欺メールには共通した特徴があります。
1. 送信元アドレスが不自然
正規のETC関連メールであれば、「@etc-meisai.jp」や「@nexco.co.jp」など、公式ドメインが使用されます。
不自然な英数字や関係のないドメインが使われている場合は要注意です。
2. 不自然に短い本文
公式のお知らせであれば、契約内容や問い合わせ窓口など詳細な情報が記載されています。
今回のメールのように「ご利用カードの確認をお願いします」程度の簡素な文章は極めて不自然です。
3. リンク先が公式ではない
リンク先のドメインをよく確認しましょう。
「.top」「.xyz」など、公式機関が通常使用しないドメインはほぼ確実に詐欺です。
偽サイトにアクセスした場合の危険性
万が一リンクをクリックしてしまうと、以下のような被害につながる可能性があります。
- クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコードの窃取
- 氏名・住所・電話番号などの個人情報の流出
- 不正決済や高額請求
- 他サービスのアカウント乗っ取り
特にカード情報を入力してしまった場合、短時間で不正利用される危険が高いため、すぐに対処が必要です。
もし入力してしまったら?緊急対応の手順
- カード会社へ即連絡
クレジットカードを入力してしまった場合は、すぐにカード会社へ連絡し、利用停止や再発行の手続きを依頼してください。 - パスワード変更
もしIDやパスワードを入力してしまった場合は、すぐに変更してください。他サービスで同じパスワードを使っている場合もすべて変更が必要です。 - 警察や消費者庁へ相談
被害が疑われる場合は、警察の「サイバー犯罪相談窓口」や消費者ホットライン(188)へ相談すると安心です。
被害を防ぐための予防策
詐欺メールの被害に遭わないためには、日常的な注意が重要です。
メールを開いたらまず「差出人」と「リンク先」を確認
公式を装ったメールでも、送信元アドレスやリンク先のURLを見れば不審さに気づけるケースが多いです。
クリックする前に必ず確認しましょう。
不安なときは公式サイトから直接アクセス
「支払い確認」などのメールを受け取った場合、メール内のリンクは使わず、自分で公式サイトを検索してログインするのが最も安全です。
セキュリティソフト・迷惑メールフィルターの活用
最新のセキュリティソフトや迷惑メールフィルターを導入すれば、フィッシングメールの一部は自動的にブロックできます。
実際のETC利用者への公式対応
ETC関連サービスを提供している ETC利用照会サービス(NEXCO) や各カード会社は、こうした詐欺について公式に注意喚起を行っています。
公式サイトでは「フィッシング詐欺に注意」といったページが設けられており、偽サイトのURLリストも公開されています。
公式から届くメールでは、必ず「問い合わせ先」「詳細な契約情報」「公式ドメイン」が記載されています。
不安を感じた場合は、公式窓口に直接確認しましょう。
まとめ
今回の「【ETC】決済方法の確認が必要です」という件名のメールは、典型的なフィッシング詐欺メールです。
- 不審な送信元アドレスや怪しいリンク先がある
- 本文が簡素で不自然
- 「決済できていない」「確認が必要」と不安を煽る
このような特徴が見られたら、絶対にリンクをクリックせず削除してください。
もし誤って情報を入力してしまった場合は、すぐにカード会社や警察へ相談することが被害拡大を防ぐ最善策です。
被害に遭わないためには「疑ってかかる」くらいの慎重さが大切です。
怪しいメールを受け取ったら、まずは冷静に差出人やURLを確認し、正規サービスは必ず公式サイト経由でアクセスする習慣をつけましょう。