近年、見知らぬ国際電話番号からの着信が増え、不安に感じる方が多くなっています。
その中でも「+991」という番号から電話がかかってくるケースは特に目立ち、SNSや口コミでも注意喚起がされています。
実際にこの番号から着信があった場合、詐欺や悪質な勧誘のリスクが高いと考えられているため、適切な知識と冷静な対応が必要です。
+991 番号とは?着信時の初期理解

+991という番号からの着信は、国際電話特有のリスクが潜んでいます。
表示される番号に「+」がついている場合は、国内電話とは異なる注意が必要です。
表示に「+」がつく意味(国際電話の疑い)
電話番号に「+」が表示されている場合、これは国際電話からの着信を示しています。
国番号が付加されているため、国内からの発信ではないことが一目で分かります。
+991は日本国内の通信網では割り当てられていない番号であり、詐欺や迷惑電話に悪用されることが多いです。
知らない番号に不用意に出ることで、個人情報の流出や架空請求の被害に遭うリスクが高まります。
「+991」は使われていない番号!ITU・ITPCSで廃止された背景
+991という番号は、国際電気通信連合(ITU)がITPCSという国際通信サービス向けに割り当てていました。
しかし現在、このサービスはすでに終了しており、公式には利用されていない番号です。
無効となった番号が表示されるケースは、スプーフィング技術を用いた番号偽装が主な原因となります。
詐欺師や犯罪グループがこのような番号を使うことで、発信元を特定されにくくし、不正な勧誘やフィッシング詐欺を仕掛けてきます。
国際番号スプーフィングの仕組み(偽装技術)
スプーフィングとは、本来の発信者番号を隠し、第三者の番号や存在しない番号を装って電話をかける技術です。
インターネット回線や特別なアプリケーションを用いることで、簡単に任意の国番号を表示させることができます。
近年は、VoIP(Voice over IP)技術を利用した国際詐欺電話も増えており、通信履歴の追跡が困難になっています。
+991のような廃止済み番号が使われる場合、悪意のある業者が個人情報や通話料詐取を目的としていることが多いため、決して応答しないことが重要です。
なぜ+991からかかってくる?詐欺手口の核心
+991からの着信がある場合、その多くは詐欺や悪質な勧誘が目的です。
どのような手口が使われているかを知っておくことで、冷静に対処できます。
自動ダイヤルとワン切り詐欺の狙い
詐欺業者は自動ダイヤルシステムを用いて、大量の電話番号に無差別で発信します。
ワン切り詐欺では、短時間で着信を切ることで折り返し電話を誘い、高額な国際通話料を狙う手法が典型です。
近年ではAIを活用した自動発信システムも登場し、被害者の選定がより高度化しています。
ワン切り後に折り返すと、詐欺グループが個人情報を聞き出すこともあるため注意が必要です。
アポ電強盗や架空請求の危険性
アポ電強盗や架空請求といった手口も、+991からの国際電話でよく見られます。
アポ電強盗では、電話越しに在宅状況や家族構成、財産状況などを探り、空き巣や強盗の下調べに悪用されます。
一方、架空請求では公的機関や有名企業を名乗り、未払い料金などの名目で金銭や個人情報を騙し取ろうとします。
これらの手口は、電話番号リストを共有する「カモリスト」から無作為に対象が選ばれることが多いのが特徴です。
カモリスト(詐欺ターゲットリスト)に番号が登録されるケース
カモリストとは、過去に詐欺被害に遭った、または個人情報が流出した人物の電話番号リストです。
こうしたリストは闇市場で取引され、詐欺業者の間で広く共有されています。
カモリストに自分の番号が登録されてしまうと、+991のような国際番号から継続的に詐欺電話がかかってくるリスクが高まります。
特に一度でも応答した場合、さらに多くの詐欺業者にターゲットとして認識される恐れがあります。
着信の実態―どうやって詐欺師が電話をかけているか

詐欺師が+991などの番号を使って着信させる手法は年々巧妙化しています。
ITPCSの試験番号や通信技術の進化がその背景にあります。
国際電気通信公衆通信サービス(ITPCS)の試験番号の悪用
ITPCSは国際電気通信連合がかつて提供していたサービスですが、現在は公式に廃止されています。
しかし、その試験番号である+991はスプーフィングの標的になりやすく、詐欺電話で利用されるケースが増えています。
廃止された番号は通信網で正規ルートを持たないため、発信元の特定が難しくなります。
こうした特性を利用し、詐欺師は着信者を油断させて被害を拡大させています。
スポークダイヤル・スプーフィング技術の進化
近年ではスポークダイヤル(複数番号の同時発信)や、発信者番号偽装のスプーフィング技術が格段に進化しています。
これらの技術はVoIPを活用し、世界中どこからでも日本の一般電話番号や廃止国際番号を表示できます。
さらにAIや自動化システムの導入で、ランダムな番号への大量発信が可能になり、標的が特定されにくい状況が生まれています。
被害防止の観点からも、番号偽装への理解と警戒が不可欠です。
SMS・メールとの複合型詐欺との連動
電話だけでなく、SMSやメールと連動した複合型詐欺も急増しています。
たとえば「アカウントが不正利用されました」といった警告メッセージをSMSで送り、その後+991などの番号から電話をかけて信用させる手口が典型です。
メール経由でフィッシングサイトに誘導し、個人情報を入力させるパターンも見られます。
通信手段を組み合わせることで、詐欺グループは被害者の警戒心を薄めようとしています。
出てしまったらどうなる?危険な影響と通話料の話
+991からの着信に出てしまった場合、どのような影響があるのかを理解することが大切です。
特に通話料や個人情報のリスクに注意が必要です。
受けただけなら通話料はゼロ(発信者負担)
日本の電話サービスでは、基本的に着信を受けただけで通話料が発生することはありません。
国際電話であっても、着信側が料金を負担することはないため安心です。
ただし、電話に出ることで相手に番号がアクティブであると知られるため、さらなる詐欺電話の標的になるリスクは残ります。
無理に会話を続ける必要はありません。
折り返すと高額国際通話料金の恐怖
+991番号へ折り返しをかけた場合は、発信者が高額な国際通話料金を負担することになります。
国際電話は分単位で数百円から千円以上の料金が発生するケースもあり、思わぬ高額請求につながります。
ワン切り詐欺や架空請求の多くは、この「折り返し」を狙った手口です。
知らない番号への発信は控えるべきです。
自動音声+操作誘導で個人情報を引き出す罠
詐欺電話では、自動音声ガイダンスを使って操作を促し、個人情報を引き出す手口も増えています。
たとえば「○○の確認のために番号を入力してください」と案内されることがあります。
入力した情報はそのまま悪用される危険があります。
公式機関を装うケースも多く、信頼性のある連絡先に自分から確認することが大切です。
対策マニュアル:+991着信への正しい対応
+991からの着信には適切な対応を取ることが、詐欺被害の予防につながります。
具体的な行動をまとめます。
不審電話はすぐ切る/折り返さない
知らない国際番号からの電話は、すぐに切ることが最も有効です。
長時間話を続けると、個人情報の聞き出しや心理的な誘導に遭いやすくなります。
ワン切りや自動音声案内に折り返しで対応するのも厳禁です。
着信履歴があっても無視し、安易な折り返し発信は避けてください。
番号ブロック設定とアプリ利用(Whoscall等)
スマートフォンには、特定の番号をブロックする機能があります。
迷惑電話対策アプリ(Whoscallや電話帳ナビなど)を活用することで、不審な番号からの着信を自動で遮断できます。
こうしたアプリはスパムデータベースを参照し、詐欺番号の検知や着信拒否を強化します。
日頃から設定を見直すことが重要です。
SMS・メールのリンクを不用意に開かない
+991からの着信後に、SMSやメールで連絡が来るケースもあります。
不審なメッセージに記載されたリンクは絶対に開かないことが鉄則です。
フィッシングサイトやマルウェア感染のリスクがあります。
正規の連絡先を自分で調べ、直接問い合わせるようにしましょう。
固定電話は防犯機能付き機器が有効
固定電話を使用している家庭では、防犯機能付きの電話機を導入することが効果的です。
迷惑電話自動識別や警告アナウンス機能が付いていれば、不審な国際番号からの着信を早期に検知できます。
特に高齢者世帯では、日常的な電話対策が重要になります。
防犯機能付き機器の導入は、被害予防に大きな効果があります。
警察(#9110)・消費者センターへの通報推奨
不審な電話が繰り返される場合や、実際に被害が疑われる場合は、速やかに警察(#9110)や消費者センターに相談しましょう。
相談窓口では、最近の詐欺手口や被害防止策についても情報提供が受けられます。
自己判断に迷った場合も、専門機関への相談が安全です。
よくある質問(LSI/PAAワード対応)
+991に関する問い合わせや疑問は多く寄せられています。
ここでは主な質問に簡潔に答えます。
Q: +991ってどこの国の番号?
+991は、かつて国際電気通信公衆通信サービス(ITPCS)向けに割り当てられた国際番号ですが、現在は公式にはどの国にも使用されていません。
実体のない番号となっています。
Q: +991からの着信は詐欺確定?
現在+991を使って正規に発信されるケースはなく、ほぼ全てがスプーフィングなど詐欺目的の可能性が極めて高いです。
個人情報を守るためにも出ない対応が推奨されます。
Q: 着信あったら通話料は?
着信を受けるだけなら日本の電話契約上、料金は発生しません。
ただし、折り返し発信した場合には高額な国際通話料が課金されるリスクがあります。
Q: 無視していい?警察に相談すべき?
無視するのが基本ですが、執拗な着信や被害の恐れがある場合は、警察や消費者センターに相談することが推奨されます。
自分だけで判断せず、専門家に相談しましょう。
Q: 他に怪しい国際番号の例はある?
+991以外にも+42、+94、+800など、正規用途が限られた国際番号からの着信が詐欺に利用される傾向があります。
不明な国番号の着信には常に警戒が必要です。
最新事例と詐欺動向(2025年最新)
詐欺電話の手口は時代とともに変化しています。
2025年時点で注目すべき最新動向を紹介します。
「NTTファイナンス名乗り架空請求」報告急増中
最近は「NTTファイナンス」など大手企業名を騙った架空請求詐欺が多発しています。
公式の連絡先や請求書を装い、SMSやメール、さらには国際番号からの電話を組み合わせる複合的な手口が確認されています。
実際の請求かどうか不明な場合は、必ず公式サイトに記載された正規連絡先で確認しましょう。
SMS連携+電話で確認促す複合型詐欺が増加中
SMSやメールで「緊急連絡」や「不正利用」などと送りつけ、その後に電話をかけてくるパターンが増えています。
複数の連絡手段を使うことで、被害者の警戒心を解こうとする巧妙な戦略です。
情報を聞き出すために電話で詳細を尋ねられても、正規の連絡先以外には絶対に個人情報を伝えないようにしてください。
まとめ
+991からの着信は、現状ほぼすべてが詐欺や犯罪目的のリスクが高い番号です。
知らない国際番号からの電話には出ないことが最善の防御となります。
万が一着信に出てしまった場合も、折り返し発信や個人情報の提供は厳禁です。
不審な場合は速やかに警察や消費者センターへ相談し、迷惑電話対策アプリや防犯機能の活用も積極的に行いましょう。