近年、スマートフォンや固定電話に突然かかってくる「+28」から始まる国際電話がSNS上で話題になっています。
多くの人が「これはどこの国?」と疑問に思い、不安を感じているようです。
実際にその番号に出てしまったことで不審な通話を経験したという声も少なくありません。
国際電話は国ごとに異なる国番号が割り当てられており、通常の着信とは扱いが異なります。
本記事では、+28から始まる電話番号の正体や、ベラルーシと誤認された理由、さらに出た場合のリスクについて、専門的な観点を交えながら詳しく解説します。
+28から始まる電話番号とは?どこの国からの着信かを解説

+28から始まる電話番号については、特定の国番号が割り当てられていないケースが多く注意が必要です。
SNSで報告が増加中の+28着信とは
2023年11月以降、+28で始まる電話番号からの着信が多数報告されており、SNS上では不審な国際電話として警戒されています。
ユーザーによると、突然の着信で発信元が不明であることが多く、スマートフォンの画面にも国名が表示されないという声が多く寄せられています。
このような番号は、発信者情報の偽装や詐欺目的の可能性が高いため、むやみに応答しない対応が推奨されます。
+28はどの国の国番号?未割り当てってどういう意味?
国際電話番号はITU-T(国際電気通信連合)によって管理されていますが、「+28」から始まる番号の多くは現在割り当てられていない未使用のコードです。
国際電話番号の制度では、2で始まる番号帯はアフリカ地域を中心に割り当てられていますが、28番台についてはほとんどが未割り当てとなっています。
このような番号からの着信がある場合、発信元が偽装されている可能性も視野に入れるべきです。
+282は西サハラ、それ以外は未割り当て
国際番号「+282」は西サハラに割り当てられている数少ない例ですが、他の+28X番台はITU-Tの資料でも「未割り当て」と明記されています。
これは、正式に国際通話用として認可されていないことを意味します。
したがって、+283や+284といった番号からの着信は、正規の国際電話ではないと判断されます。
未割り当て番号を利用した発信は、しばしば通信詐欺の温床にもなっています。
ベラルーシ説の誤解と国番号の正しい理解
+28をベラルーシの国番号と誤認するケースが多いですが、それは別の資料に起因する誤解です。
ベラルーシ=+28は誤情報?政府資料との違い
+28がベラルーシの国番号であるという誤情報が一部で広まっていますが、これは国際電話とは関係のない日本政府の資料に基づいた誤解です。
具体的には、国土交通省が公開しているチャイルドシートの認可国リストにおいて、「28=ベラルーシ」と記されていたことが発端となっています。
これは国際通信とは無関係な識別コードであり、国際通話における番号体系とは別物です。
チャイルドシート認可国番号との混同に注意
問題の資料は、車両用チャイルドシートの認可国番号を示したもので、28という番号がベラルーシを示していただけにすぎません。
しかし、国際電話番号とは構造も用途も異なり、同じ番号であっても意味合いがまったく違います。
専門性のある番号体系を混同して判断することは非常に危険であり、正確な情報を基にした判断が必要です。
怪しい+28着信への正しい対応方法

+28からの電話は多くが正規の国際電話ではなく、詐欺やトラブルを伴う可能性が高いため慎重な対応が求められます。
電話に出るべき?無視すべき?基本的な対処法
+28で始まる番号からの着信には、原則として出ないことが推奨されます。
特に発信元が不明な場合や、着信履歴に見慣れない国番号がある場合は要注意です。
電話に出ることで、自分の番号が有効であると認識されてしまい、さらに多くの迷惑電話のターゲットになるリスクが高まります。
信頼できない発信者からの電話には、応答せずスルーすることが最も安全です。
折り返しNGの理由と通話料金リスクの説明
未割り当ての国番号に対して折り返し電話をかける行為は、非常に危険です。
通話が国際回線を経由するため、通常の国内通話と比べて高額な料金が発生する可能性があります。
また、接続しただけで課金が生じるプレミアム回線が仕組まれているケースも存在します。
これらは「国際ワン切り詐欺」として知られており、無意識の折り返しが経済的損失に直結する恐れがあるため、慎重に行動すべきです。
総務省を装うパターンにも注意(2024年10月追記)
+28からの着信には、政府機関を名乗る新たな詐欺手口も確認されており、信憑性を装った音声ガイダンスには特に警戒が必要です。
「2時間以内に通信停止」の自動音声に要注意
2024年10月時点で報告されている手口の一つに、「2時間以内に通信が停止する」と警告する自動音声があります。
この内容は、不安を煽って反応を引き出す詐欺特有の手口であり、実在する行政機関が個人にこのような連絡を行うことはありません。
しかも、発信元は+28で始まる未割り当ての番号であり、正式な機関からの通達である可能性は極めて低いと考えられます。
総務省公式Xからの注意喚起と詐欺判定の根拠
この自動音声について、総務省は公式Xアカウント上で明確に否定しており、「通信を停止する旨を個別の電話で連絡することは一切ない」と警告を発しています。
さらに、他の詐欺電話と同様、録音された音声や機械音声で一方的に情報を伝える手法が採用されていることからも、詐欺である可能性が高いと判断できます。
信頼性のある公的機関が、このような形で警告を発することは通常ありません。
まとめ
+28で始まる国際電話は、現時点ではほとんどが未割り当てであるため、正体不明の着信に該当します。
SNS上の報告や被害事例からも明らかなように、多くの場合は詐欺や不審な営業活動が目的と考えられています。
特に、折り返しや応答によって不利益を被るリスクが高まることを忘れてはなりません。
また、政府機関を装った最新の詐欺手口も登場しており、公式発表など信頼性の高い情報をもとに冷静に対応することが大切です。