近年、国際電話を装った詐欺被害が急増しています。
特に「+969」や「+96」から始まる不審な着信に戸惑った経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
こうした国際電話は、ワン切り詐欺や高額通話料詐欺といった手口に悪用されるケースが報告されており、適切な対策が求められています。
この記事では、+969(+96)から始まる番号の正体を明らかにし、その背景に潜むリスク、さらに具体的な詐欺手口と防止策を詳しく解説します。
情報リテラシーとセキュリティ意識を高めるためにも、ぜひ最後までご覧ください。
+969(+96)から始まる国際電話とは?

+969や+96で始まる番号は特定の国のものではなく、詐欺の疑いがあるため注意が必要です。
国番号969の現状と地域
国番号969は、現在いずれの国にも割り当てられていません。
かつて使用していたものの、現在969は「未使用」のままとなっています。
このような「空白番号」は、発信者の実体を隠すために詐欺グループに利用されやすいのが実情です。
特に、信頼性の高い通信網を悪用した発信が行われることがあり、受信者は混乱を招きやすくなっています。
現在使われている周辺の国番号一覧
+96から始まる国際電話番号の多くは、西アジアや中東地域に割り当てられています。
これらの国々は国際電話での通話料金が高額になる傾向があるため、詐欺のターゲットにされることもあります。
番号の地域特定を誤ると、リスクの高い通話を行ってしまう危険があるため注意が必要です。
なぜ969は「未使用」なのか?
969が現在使われていない理由は、過去の国番号再編成にあります。
かつて969が使用されていましたが、967へと切り替えられました。
ITU(国際電気通信連合)の国番号割当リストでも、969は空き番号として扱われています。
この「空き番号」は国際電話の正規ルートを通らず発信されることもあり、発信元の特定が極めて困難です。
そのため詐欺やスパムに悪用されやすくなっているのです。
国際電話詐欺の代表例「ワン切り詐欺」に要注意

国際電話を使った詐欺の中でも「ワン切り詐欺」は最も一般的で、多くの人が被害に遭っています。
なぜ国際電話を使うのか?詐欺グループの狙い
詐欺グループが国際電話を使う最大の理由は、発信元の特定が困難だからです。
日本国内の番号であれば通信履歴や契約者情報の追跡が可能ですが、海外発信の場合、その追跡には技術的な壁や法的制限が存在します。
加えて、国際電話には非通知設定や転送機能を併用することでさらに発信元の追跡を難しくすることができます。
このような匿名性を活用し、犯罪グループは受信者に不安や混乱を与える手法を取るのです。
ワン切り詐欺の仕組みと心理的トリック
ワン切り詐欺は、一度だけ短く電話を鳴らして切るという手口です。
相手に「誰からの着信だったのか気になる」と思わせ、折り返し電話をさせる心理を利用します。
人間の好奇心や義務感を突くことで、意図的に応答や折り返しを促します。
こうした心理的トリックを仕掛けることで、被害者は詐欺だと気づかずに電話をかけ直してしまうのです。
実際には、折り返した時点で課金が発生し、詐欺グループは利益を得ています。
高額通話料を狙う巧妙な手口とは?
国際ワン切り詐欺では、かけ直した電話が自動音声サービスや有料ダイヤルにつながるケースがあります。
通話が続くほど料金が加算されるため、被害者が長時間通話するよう誘導する手法が使われています。
特に、緊急性を装ったメッセージや案内音声が流れ、「重要な情報がある」と思わせて時間稼ぎをするのが典型的です。
これにより、数分の通話でも数千円以上の通話料が発生する場合もあり、深刻な経済被害を招くのです。
ワン切りだけじゃない!他の国際詐欺の実例
国際電話詐欺にはワン切り以外にもさまざまな手口が存在しており、日常的に注意が必要です。
架空請求詐欺:海外からの支払い要求
架空請求詐欺は、存在しないサービスや利用料金を海外の電話番号から請求してくる手口です。
特に、身に覚えのない有料コンテンツの利用料や未納料金と称して支払いを求めてきます。
国際電話での請求は緊急性を装うことが多く、相手を焦らせて冷静な判断を奪おうとします。
このようなケースでは、金融機関や行政を名乗ることもあり、信憑性を持たせることで金銭をだまし取るのが特徴です。
テクニカルサポート詐欺:ウイルス警告に注意
インターネットを利用していると突然現れる「ウイルス感染の警告」は、テクニカルサポート詐欺の前触れである場合があります。
この詐欺では、警告メッセージに記載された国際電話番号に連絡を促され、偽のサポート業者につながる仕組みです。
通話の中でリモート操作の許可を取られ、個人情報を盗まれるケースも少なくありません。
セキュリティの専門用語を多用するため、本物の技術サポートと誤認しやすく、被害に遭いやすい傾向があります。
国際ロマンス詐欺:SNSを悪用した金銭要求
国際ロマンス詐欺は、SNSやマッチングアプリなどを通じて外国人になりすました詐欺師が接触してくる手口です。
長期間にわたり信頼関係を築いた上で、医療費やビザの取得費用などを理由に金銭を要求してきます。
英語や他言語でのやりとりに慣れていない日本人を狙うことが多く、感情に訴える言葉を用いて相手の判断力を鈍らせるのが常套手段です。
巧妙なシナリオで関係性を演出するため、詐欺と気づきにくい特徴があります。
入国管理局詐欺:在留資格を口実にした詐欺
外国人労働者や留学生を対象にした入国管理局詐欺では、在留資格やパスポートの問題を指摘し、罰金や書類手続き費用を支払わせようとします。
詐欺師は本物の機関を装い、公式のような口調で連絡してくるため、信じてしまうケースもあります。
特に、偽造された書類や正規のメールアドレスに似せたドメインを用いることが多く、詐欺であると見抜くのが難しい場合があります。
国外退去への不安を煽るのが主な手口です。
自動音声誘導型詐欺:ボイスメッセージの罠
自動音声誘導型の詐欺では、「重要なお知らせです。
番号を押してください」といったガイダンスが流れます。
これに従って操作を行うと、高額な有料通話サービスへ誘導されたり、個人情報を入力させられたりします。
音声案内に信頼感を持たせるため、公的機関の名を騙るケースも確認されています。
ボイスフィッシング(Vishing)と呼ばれるこの詐欺は、スマートフォンの普及に伴って増加傾向にあり、無意識に操作してしまう点が危険です。
いますぐできる!+969電話の対策方法まとめ
詐欺電話に巻き込まれないためには、日常生活に取り入れやすい対策を実践することが効果的です。
心当たりのない電話には絶対出ない・かけ直さない
見知らぬ国際番号からの電話には出ないことが基本です。
特に、着信に心当たりがない場合は折り返しも避けましょう。
実際に出てしまっても、相手に個人情報を伝えず即座に通話を終了してください。
好奇心に負けず、冷静な判断をすることが被害防止につながります。
スマホの着信拒否設定・キャリアのブロック機能活用
スマートフォンには、特定番号や国番号からの着信をブロックする機能が備わっています。
また、ドコモやau、ソフトバンクなどの通信キャリアも、迷惑電話対策サービスを提供しています。
これらの設定を活用することで、怪しい着信を事前に防ぐことが可能になります。
迷惑電話対策アプリ・セキュリティソフトの導入
迷惑電話対策に特化したアプリは、詐欺番号をデータベースに基づいて自動で検出し、警告表示してくれます。
加えて、セキュリティソフトを導入することで、マルウェア感染や不正アクセスを防ぐこともできます。
常にアップデートされた最新の状態を保つことが重要です。
電話番号の検索・口コミ情報をチェック
知らない電話番号からの着信があった場合には、番号検索サイトや口コミ掲示板を活用しましょう。
多くの人が実際に受けた着信内容や被害情報を共有しており、危険性を判断する参考になります。
複数の情報源を照らし合わせることで、より正確な判断が可能になります。
個人情報を守る鉄則:教えない・クリックしない
電話やSMSで要求される個人情報は一切伝えてはいけません。
また、不審なリンクやQRコードには決してアクセスしないようにしましょう。
特に、クレジットカード番号やパスワードの入力を促す連絡には、最大限の警戒が必要です。
OSとアプリは常に最新に保つこと
スマートフォンやPCのOS、アプリケーションは、脆弱性を修正するために頻繁に更新されます。
古いバージョンを使い続けることは、セキュリティホールを突かれるリスクを高める行為です。
自動更新の設定を有効にしておくことをおすすめします。
パスワードは使い回さず、強固なものに
複数のサービスで同一パスワードを使用していると、ひとつの情報漏洩が大規模な被害につながります。
英数字や記号を組み合わせた複雑なパスワードを個別に設定し、定期的に変更する習慣を持ちましょう。
2段階認証の導入も有効です。
少しでも不安を感じたら専門機関に相談
詐欺の疑いがある電話を受けた場合は、自分で判断せずに専門機関に相談することが大切です。
警察庁のサイバー犯罪窓口や消費者センター、フィッシング対策協議会などが、具体的なアドバイスや支援を行っています。
ためらわず相談しましょう。
まとめ
+969や+96からの着信は、国際詐欺の可能性が高く、出ない・かけ直さないという姿勢が最も重要な防衛策です。
詐欺手口は年々巧妙化しており、正しい知識と対策が求められます。
日々の設定や情報収集、警戒心を持つことで、多くの被害は未然に防ぐことが可能です。
自分と家族を守るためにも、この記事で紹介した内容をぜひ実践してみてください。