「+217」からの電話は、ほぼ確実に詐欺です。
この番号は、チュニジアに似せた未割り当ての国際番号で、多くの人が知らずに出てしまい、高額な通話料や個人情報の搾取といった被害に遭っています。
この記事では、「+217」はどこの国なのかという素朴な疑問から始まり、なぜ詐欺に悪用されるのか、どんな手口があるのか、そしてもし着信があった場合にどう対処すべきかまで、実際の被害事例やSNSでの報告も交えて分かりやすく解説します。
スマホを持つ全ての人が知っておくべき最新の詐欺情報を、今すぐ確認しておきましょう。
「+217」はどこの国?怪しい国際電話の正体とは

「+217」から電話がかかってきたら、それはチュニジアからではありません。
実は、この番号はまだ割り当てられていないのです。
+217は実在する国番号?チュニジアとの関係性
「+217」は、ITU(国際電気通信連合)によって正式に認可されていない未割り当ての番号です。
つまり、どこの国にも属しておらず、現在はどこにも公式に使われていません。
ただし、チュニジアの国番号「+216」と非常に似ているため、多くの人が「チュニジアからかな?」と誤解してしまいます。
この誤認を利用し、発信者情報を偽装する詐欺グループが、「+217」を使って電話をかけてくるケースが急増しています。
【表:国番号の違い】
番号 | 国名 | 状態 |
---|---|---|
+216 | チュニジア | 正式な国番号 |
+217 | なし(未割り当て) | 詐欺に悪用される可能性あり |
「+216」と「+217」の違いに注意しよう
「+216」はチュニジア共和国の正式な国番号であり、現地の通信会社から発信される正規の番号です。
一方、「+217」はまだどこの国にも使われていない番号で、詐欺目的で悪用されるリスクが極めて高い番号です。
見分け方は非常に簡単で、「+216」は1桁違いですが、受け手の心理を突いた絶妙な数字配列となっているのが特徴です。
このように似ているからこそ、一瞬の判断ミスが高額な通話料金や情報漏えいにつながる可能性があります。
着信表示を見たら、1の違いに注意しましょう。
「+217」からの着信はなぜ危険?詐欺に使われる背景

「+217」のような番号が悪用される背景には、発信元を特定しにくい国際回線の仕組みと、人間の心理を突いた手口が関係しています。
国際ワン切り詐欺の手口と心理トリック
国際ワン切り詐欺は、1~2回の着信で電話を切り、受信者が折り返すのを狙う典型的な詐欺手口です。
折り返すことで、高額な国際通話料が発生し、その一部が詐欺グループの利益となります。
人は「知らない番号=重要かも」と無意識に考えてしまうもの。
この心理を利用して、不安をあおるような番号や時間帯を狙って発信されます。
特に深夜や休日の着信には要注意です。
大事な連絡だと勘違いさせるのが常套手段です。
【チェックポイント】
- 着信は1~2コールで切れる
- 折り返すと自動音声や無言
- 明細に高額通話料が記載される
架空請求・自動音声詐欺の具体的な事例
「+217」からの電話で多いのが、自動音声による架空請求や未納料金の催促を装う詐欺です。
実在する企業名や公的機関を名乗って信頼を得ようとするのが特徴です。
たとえば「料金が未納です」「法的手続きを開始します」などの音声が流れ、番号を押すように指示されることがあります。
その後、オペレーターとつながり、個人情報を聞き出されたり、リモート操作を求められる事例も報告されています。
相手の指示に従わず、すぐに通話を終了するのが鉄則です。
SNSで拡散されるチュニジア詐欺の実態
最近では、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNS上で「+217」からの着信に注意喚起する投稿が急増しています。
実際に被害に遭った人たちの声が広がっており、特にワン切り詐欺や自動音声の被害報告が目立ちます。
口コミや共有された体験談は、詐欺の傾向を知るための貴重な情報源です。
また、「+216」も一部のケースでは悪用されているとの情報もあり、数字だけでは安心できない時代になっていることがわかります。
ネットの声を参考に、日々最新情報をアップデートしておくことが、身を守る第一歩です。
「+217」から電話が来たときの正しい対処法

「+217」からの着信があったら、まずすべきは“出ないこと”です。
焦らず落ち着いて、次に紹介する対処法を実践しましょう。
出ない・折り返さないが鉄則
知らない国際番号には、絶対に出ない・折り返さない。
これが一番確実な対処法です。
特に海外に知り合いがいない場合は、出る理由がありません。
出てしまったとしても、すぐに通話を終了し、通話明細を確認しましょう。
詐欺グループは相手に話させようとするので、無言でも切るのが賢明です。
迷ったときは、「+217」はチュニジア風の詐欺番号だと覚えておきましょう。
不審な電話番号を調べる・ブロックする方法
不審な電話番号があった場合は、まずネット検索をして詐欺情報を確認しましょう。
次に、スマホの「着信拒否設定」や迷惑電話アプリでブロックを設定すると安心です。
携帯会社によっては、国際電話を完全に拒否するサービスもあります。
以下に対策をまとめました。
【国際電話ブロックの方法一覧】
対策方法 | 説明 |
---|---|
番号を検索 | 詐欺報告がないか確認 |
着信拒否設定 | スマホや通信会社の機能を活用 |
アプリで迷惑電話対策 | Whoscallなどの利用がおすすめ |
国際着信拒否申請 | 通信会社に連絡して設定可能 |
警察・消費者庁への相談窓口(#9110・188)
もし「被害に遭ったかも…」と感じたら、ためらわずに公的な相談窓口へ連絡しましょう。
警察の相談窓口「#9110」では、専門の担当者が対応してくれます。
また、消費者庁の「188(いやや)」は、詐欺や悪質商法に関する相談ができるホットラインです。
些細なことでも相談することで、被害を最小限に抑えられます。
早めの通報が、次の被害者を防ぐ大きな力になります。
国際電話詐欺の被害を防ぐ!スマホ設定と日常の工夫
スマホの設定を少し変えるだけで、国際電話詐欺の多くは防げます。
特別なアプリを使わずにできる対策も多いので、今すぐ見直しておきましょう。
迷惑電話フィルターと国際着信拒否の設定方法
スマートフォンには、迷惑電話を自動で検知・ブロックできる機能が搭載されていることが多く、これを活用するだけでもかなりの効果があります。
たとえば、Androidでは「Google電話」アプリ内で迷惑電話フィルターを有効化できますし、iPhoneでは「不明な発信者を消音」にする設定が可能です。
また、各キャリア(docomo、au、SoftBank)には国際電話着信を拒否するオプションも用意されています。
通話設定画面やマイページから申し込むだけで、不要な国際着信をシャットアウトできます。
【スマホ&キャリア別の着信拒否機能一覧】
方法 | 概要 |
---|---|
迷惑電話フィルター(スマホ設定) | 不審な番号を自動検出・警告 |
国際電話ブロック(キャリア設定) | 海外からの着信をすべて拒否可能 |
Whoscallなどの専用アプリ | 番号情報を照合して危険を通知 |
非通知・不明な番号の消音設定 | 不審な電話に気づかず済む |
簡単な操作で、被害の予防効果は大幅に高まります。
通話料が高額になる理由とその仕組み
国際ワン切り詐欺が怖いのは、通話料の高さにあります。
折り返した先が通常の国際回線ではなく、プレミアムレート番号(特別料金が発生する番号)に転送されているケースがあるからです。
このような番号に接続されると、1分あたり数百円以上の通話料が発生することもあり、しかもそれが国際ルート経由のため通信会社側も止めづらいのが実情です。
さらに、こうした通話料の一部は不正業者や詐欺グループに分配されてしまいます。
つまり、知らずに折り返すことで、あなたの通話料がそのまま詐欺の資金源になってしまう可能性があるのです。
【高額通話料が発生する流れ】
- ワン切りで興味を引く
- 折り返し電話をかけさせる
- プレミアムレート番号に接続
- 数秒~数分で数千円の通話料発生
料金明細に見覚えのない国番号があったら、すぐに確認を。
家族や高齢者に共有すべき詐欺対策情報
国際電話詐欺のターゲットになりやすいのが、スマホに慣れていない高齢者や、ITリテラシーの低い家族です。
彼らに対策を共有することが、被害防止に直結します。
具体的には、「知らない国際番号からの電話には出ない」「電話があっても絶対に折り返さない」「おかしいと思ったら家族や警察に相談する」といった基本ルールを紙に書いて目につく場所に貼るといった工夫が有効です。
さらに、家族でスマホ設定の確認を一緒に行う時間を作ることで、自然とセキュリティ意識が高まり、詐欺への耐性がついてきます。
【家族に伝えるべき3つの基本ルール】
- 不審な番号には出ない・折り返さない
- メッセージや音声で指示されても操作しない
- 心配なときは家族か#9110・188に相談する
家族全体で情報を共有することが最大の防御策です。
まとめ
「+217」からの着信は、現在のところ正規の国際番号ではなく、詐欺グループに悪用されている可能性が高い番号です。
チュニジアの「+216」と似ているため、つい気になってしまいがちですが、出ない・折り返さない・調べる・ブロックするの4ステップで、ほとんどの被害は防ぐことができます。
スマホの設定や迷惑電話フィルター、そして何よりも「知らない番号には出ない」という意識が、あなたと大切な人を守る大きな力になります。
万が一、被害に遭った場合でも、#9110(警察)や188(消費者ホットライン)といった相談先をすぐに活用しましょう。
冷静な判断と早めの行動が、被害の拡大を防ぎます。
日頃の意識と家族との情報共有が、詐欺から身を守る最強のセキュリティ対策です。