2025年3月に実施されたWindows10の月例アップデートは、一見すると小さな変更に見えるかもしれませんが、実際には多くのユーザーにとって大きな影響を与えるものでした。
とりわけ注目を集めたのが「Notoフォント」の自動適用によるWebブラウザの表示変更です。
突然、文字が太く見えるようになった、読みづらくなったといった声が各所から上がり、特にデザインやUIに敏感なユーザー層では戸惑いも広がりました。
本記事では、このアップデートの内容と影響、Notoフォントの特徴や導入の背景、そしてフォント変更の仕組みに至るまでをわかりやすく解説します。
Windows10の2025年3月アップデートで何が起こったのか

2025年3月のWindows Updateでは、システム自体に大きな不具合は報告されなかったものの、フォント関連の仕様に予期せぬ変更が見られました。
月例アップデートの概要と影響
2025年3月のWindows10月例アップデートでは、安定性やセキュリティの向上に加えて、フォントに関する仕様変更が静かに含まれていました。
具体的には、Notoフォントが自動的にインストールされ、一部のWebページの文字表示が太く、やや見え方が変わったと感じるユーザーが増加しました。
フォントレンダリングの挙動に関わる変更は、視認性やUI設計にも影響を及ぼすため、Web制作やDTP関係者にも大きな注目を集めました。
Webブラウザのフォントが変化した理由
この変化の背景には、ブラウザの仕様変更とNotoフォントの自動適用が深く関係しています。
Chromiumベースのブラウザでは、システムにNotoフォントがインストールされている場合、デフォルトでNoto Sans JPなどが優先的に表示されるよう設計されています。
これはユーザーの操作なしに適用される仕様で、フォントエンジンの互換性やUnicode対応を踏まえたものでした。
結果として、Windows側の設定を変えていなくても、ブラウザ上では見た目が変わるという現象が生じたのです。
Notoフォントとは?導入された背景と特徴
NotoフォントはGoogleが開発した多言語対応フォントであり、国際化対応や文字の統一表示を目的に設計されています。
今回のアップデートでは、OSではなくブラウザ側の仕様でこのフォントが活用されました。
Googleが開発したNotoフォントの魅力
Notoフォントは「No Tofu(表示されない四角い豆腐文字をなくす)」を理念に、GoogleとAdobeが共同開発したフォント。
日本語を含む多言語環境に対応しており、Noto Sans JPやNoto Serif JPなど複数の書体があります。
文字の統一感や可読性を重視したデザインは、グローバルなUIに適しており、近年ではWebフォントの標準としても採用が進んでいます。
読みやすさと視認性、そしてUnicode対応という点で非常に優れた特性を持つフォントです。
Windows10でのフォント適用の仕組み
NotoフォントがWindows10のOS標準フォントに設定されたわけではありませんが、ブラウザとの連携によって事実上の標準表示になったケースが多く見られます。
特にChromeやEdgeなどのChromium系ブラウザでは、フォントのカスタマイズ設定が「自動選択」になっている場合、インストール済みのNotoフォントが優先される傾向があります。
このため、ユーザー自身が設定を変更しない限り、Notoフォントによる表示がデフォルト化され、突然表示が変化するという現象が発生したのです。
Notoフォントの見え方に違和感を感じたら

ブラウザ表示が変わったことに戸惑った場合、原因を理解し、適切な対処を行うことで視認性を改善できます。
太く見える原因とその対処法
Notoフォントは可読性を重視した設計のため、従来の「Yu Gothic UI」よりも字幅が広く、ウェイトがやや重めに感じられます。
これにより、特にWebページ上では文字が太く見え、密度が高くなる印象を与えることがあります。
表示が見づらいと感じる場合は、まずブラウザ設定を確認し、フォントレンダリングのカスタマイズを試してみましょう。
フォントのウェイトや種類を変更することで、視認性を自分の好みに近づけることが可能です。
元のフォント「Yu Gothic UI」に戻す方法
フォント表示を従来の「Yu Gothic UI」に戻すには、ChromeやEdgeの設定からフォントのカスタマイズを行う必要があります。
Chromeの場合は「設定」→「デザイン」→「フォントのカスタマイズ」で、Edgeでは「設定」→「外観」→「フォント」→「フォントのカスタマイズ」から変更できます。
標準、セリフ、サンセリフそれぞれに個別にフォントを指定できるため、「Yu Gothic UI」や「Meiryo」など以前使われていた日本語フォントに再設定することで、以前の表示に近づけることができます。
まとめ
2025年3月のWindows10月例アップデートでは、OSそのものに大きな変更はなかったものの、Notoフォントの自動適用がWeb表示に大きな影響を与えました。
多くのユーザーが「文字が太くなった」「見づらくなった」と感じた背景には、Chromium系ブラウザがフォント選択を自動化している仕様があります。
もし違和感を覚えた場合は、ブラウザのフォント設定を確認し、必要に応じて「Yu Gothic UI」などに戻すことが推奨されます。
フォントは情報伝達の基本であり、環境に応じた最適な選択が求められます。
変化に柔軟に対応する姿勢が、快適なPC環境を保つ鍵となるでしょう。